田中博ノート

探偵小説研究会の田中です。雑誌等に書きっ放しになっている文章や、手元にある未発表の文章を掲載しています。

2007-07-23 ポスト・モダン――

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と……いうわけで――懸案の「CRITICA」2号用の原稿を書き上げたわけだが、それが……なんとも……

まぁ……布石を打っただけの、ちょっと情けない仕上がりで……

この「田中博ノート」でフォロウしていこうと考えてはいるのだが……しかし、本文が出る前に言い訳するのもなんだし(と、言うこと自体が言い訳めいているけれども)、本格的なフォロウは、8月17日の夏のコミケで「CRITICA」がお披露目されてからにするとして、変テコな前宣伝みたいなことをしてみよう。

原稿のゲラ直しの段階で、煮え切らない自身のスタンスについて、もう少し鮮明に解りやすく表現すべきだろうな……と、煩悶した挙句、苦し紛れに次のようなフレーズを突っ込んだ。


どうやら、私は――ポスト・モダンが大嫌いなモダニストから、モダンが大好きなポスト・モダニストに転向してしまったようだ……


この言い草自体が、モダニズム臭紛々なのは自覚しているが、まぁ、それは転向(というモダンな)儀式として必要なものだったのだ。

で……今更な、この「ポスト・モダン」という呪文を、昨日の探偵小説研究会の例会の後の酒宴で連発してみたのだが……ただの酔っ払いの戯言のように扱われ、「いつもより面白くない」と切り捨てられ……これでは、いかん――と、あえて「ポスト・モダン」に固執するという、実に「モダン」なパフォーマティブな振る舞いに追いやられてしまい、かろうじて「田中さんの新しいギャグ」みたいな所で受け入れてもらえたような気もするのだが……

ようするに、ちょと――失敗したみたいだ。

でも、挫けたりしない。卑しくも「ポスト・モダニスト」宣言をしたからには、「挫ける」とか「屈折」とか「自意識」とか「弁証法」とか「相対化」とか……そんなのは、“モダニスト”振りという一つのコンテンツというか、芸風でしかないわけだから――私は、そういう芸風を愛する自分を棚に上げて慈しむ余裕を持った「ポスト・モダニスト」になってしまったのだから――

いや……こんなことをウダウダ書いている時点で「モダン」なのは承知している。でも、時間をかけて、段階を踏んで、僕は立派なポスト・モダニストになる……そういう、決意が「モダン」だとしても…… こんなことをアップするのが酔っ払いの勢いだとしても……それがモダンかポスト・モダンかは……どっちでもいいのじゃないだろうか?