市川尚吾の蔵出し

2100-01-01過去原稿総括

[]過去原稿総括 14:20

市川尚吾が過去に書いた原稿を媒体ごとにまとめてみた。

■文庫解説2冊

『人狼城の恐怖 第二部フランス編』二階堂黎人/講談社文庫

『新世紀「謎」倶楽部』新世紀「謎」倶楽部/角川文庫

■「本格ミステリ・ベスト10」

2000年 国内投票(東京創元社)

2001年 国内投票(原書房。この年までは一般人。翌年から研究会員として参加)

2002年 国内投票、17位『たったひとつの』紹介、20位『建築屍材』紹介、

      「本格ミステリファンのためのインターネット活用術」、研究会の一年

2003年 国内投票、20位『世界は密室でできている。』紹介、国内座談会、

      「ネット読者も黙っていない! 今年は大量投稿 MY BEST RANKING」、

      コラム3本「新人作家総まくり」「文庫書き下ろし」「陽気な於漫亜種たち」、

      研究会の一年

2004年 国内投票、15位『ミステリアス学園』紹介、

      17位『「アリス・ミラー城」殺人事件』紹介、国内座談会、

      「もっと自己主張を! ネット読者が選んだ MY BEST RANKING」、

      コラム「閉鎖状況大流行」、研究会の一年

2005年 国内投票、14位『魔術王事件』紹介、20位『ウサギの乱』紹介、

      国内座談会、コラム「天然カー、オマエモカー」、研究会の一年

2006年 国内投票、6位『交換殺人には向かない夜』紹介、9位『ゴーレムの檻』紹介、

      19位『御手洗潔対シャーロック・ホームズ』紹介、20位『痙攣的』紹介、

      コラム2本「2005中短編集総括」「2005世相とミステリ」、研究会の一年

2007年 国内投票、1位『乱鴉の島』紹介、10位『仮面幻双曲』紹介、

      17位『少年は探偵を夢見る』紹介、18位『帝都衛星軌道』紹介、

      コラム2本「2006中短編集の収穫」「2006世相とミステリ」、研究会の一年

2008年 国内投票、国内総評、10位『心臓と左手』紹介、

      18位『Rのつく月には気をつけよう』紹介、国内座談会、

      新本格20周年記念座談会進行、エッジ系『眩暈を愛して夢を見よ』紹介、

      コラム3本「2007中短編集注目作」「2007世相とミステリ

      「マイナーリーグ注目作」、研究会の一年

2009年 国内投票、国内総評、9位『エコール・ド・パリ殺人事件』紹介、

      国内座談会、コラム「2008世相とミステリ」、研究会の一年

■『本格ミステリこれがベストだ!』東京創元社

2001年 座談会

2002年 評論「メフィスト賞作家たちの健闘」

2003年 評論2本「ジャンル原論」「二人の奇蹟鑑定家」、

      オススメ『フォア・フォーズの素数』

2004年 評論「きみとぼくの壊れていない真相」、

      オススメ『十字架クロスワードの殺人』

■『本格ミステリ・クロニクル300』原書房

『卍の殺人』『ブラディ・ローズ』『三重殺』『予告された殺人の記録』『金雀枝荘の殺人』『蝶たちの迷宮』『七人の中にいる』『タイム・リープ』『藤田先生のミステリアスな一年』『コズミック』『歪んだ創世記』『思案せり我が暗号』『ドッペルゲンガー宮』『真っ暗な夜明け』『中空』『硝子細工のマトリョーシカ』『マリオネット園』『今日を忘れた明日の僕へ』『アイルランドの薔薇』『双月城の惨劇』『見えない精霊』『密室の鍵貸します』の22作品を紹介

■『現代作家大事典』明治書院

飛鳥高、鮎川哲也、石沢英太郎、今邑彩、岡田鯱彦、海渡英佑、楠田匡介、黒田研二、小泉喜美子、西東登、佐野洋、島久平、島田一男、深谷忠記、吉村達也、和久俊三の16人の略歴。

『細い赤い糸』『黒いトランク』『りら荘事件』「視線(短編)」『卍の殺人』『薫大将と匂の宮』『伯林 一八八八年』「脱獄を了えて(短編)」『硝子細工のマトリョーシカ』『弁護側の証人』『蟻の木の下で』『一本の鉛』『華麗なる醜聞』『硝子の家』「社会部記者(短編)」『1万分の1ミリの殺人』『幽霊作家殺人事件』『仮面法廷』の18作品の紹介

■雑誌「ジャーロ」光文社

16号 ニアミステリな関係 第16回 『夢の密室』/『奇偶』

31号 MYSTERYランダムウォーク第1回 透明人間

■『ニアミステリのススメ』原書房

 「詭弁トリックの系譜」(ジャーロ16号の原稿再録)

■雑誌「ミステリーズ!」(本格ミステリ・フラッシュバック)東京創元社

01号 『リア王密室に死す』紹介

02号 『変人島風物誌』紹介

03号 『瀬戸内海殺人事件』紹介

04号 大谷羊太郎略歴、『死を運ぶギター』『真夜中の殺意』紹介

05号 『三毛猫ホームズの推理』紹介

06号 長井彬略歴、『原子炉の蟹』『殺人オンライン』『北アルプス殺人組曲』紹介

09号 辻真先略歴、『盗作・高校殺人事件』『紺碧は殺しの色』紹介

10号 『猫は知っていた』紹介、

    鷲尾三郎略歴、『死臭の家』『悪魔の函』『呪縛の沼』紹介

11号 『名探偵なんか怖くない』紹介

■『本格ミステリ・フラッシュバック』東京創元社

ミステリーズ!」の連載に書き下ろしを加えたもの。以下を担当。

作家紹介23人(太字は書き下ろし)。泡坂妻夫、池田雄一、石沢英太郎、大谷羊太郎、風見潤、小林信彦、清水義範、柴田錬三郎、竹本健治、司城志朗、筑波孔一郎、辻真先、土井行夫、長井彬、中井英夫、林美土里、東野圭吾、広瀬正、藤本大三郎、藤原宰太郎、余志宏、輪堂寺耀、鷲尾三郎。

作品紹介66作品(太字は書き下ろし)。『三毛猫ホームズの推理』『りら荘事件』『天井のとらんぷ』『死者の輪舞』『しあわせの書』『出雲3号0713の殺意』『猿丸幻視行』『殺意の演奏』『死を運ぶギター』『殺人航路』『真夜中の殺意』『三度目ならばABC』『喪服を着た悪魔』『海を見ないで陸を見よう』『リア王密室に死す』『海の稜線』『大統領の密使』『神野推理氏の華麗な冒険』『紳士同盟』『殺人の棋譜』『泡の女』『一本の鉛』『幽霊紳士』『犯罪待避線』『御手洗潔の挨拶』『ABO殺人事件』『瀬戸内海殺人事件』『成吉思汗の秘密』『最優秀犯罪賞』『変人島風物誌』『匣の中の失楽』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』『狂い壁狂い窓』『月をのせた海』『神様の誘拐』『死はわがパートナー』『盗作・高校殺人事件』『改訂・受験殺人事件』『紺碧は殺しの色』『三重露出』『陽気な容疑者たち』『名なし鳥飛んだ』『大いなる幻影』『原子炉の蟹』『殺人オンライン』『北アルプス殺人組曲』『虚無への供物』『猫は知っていた』『緋の記憶』『名探偵なんか怖くない』『美土里くんの「ドライツェーン」』『卒業』『白馬山荘殺人事件』『学生街の殺人』『T型フォード殺人事件』『バイオ探偵の事件簿』『密室の死重奏』『高層の死角』『明治断頭台』『貸しボート十三号』『蒔く如く穫りとらん』『十二人の抹殺者』『運命の八分休符』『死臭の家』『悪魔の函』『呪縛の沼』。

■同人誌「CRITICA」

1号 「没コラム蔵出し」、編集後記

2号 「横溝作品に見た長編の《構図》」「没コラム即出し」

3号 「本格ミステリの軒下で」、編集後記

e-NOVELSの週刊書評等で書いた原稿は、2009年3月6日から10日のエントリにサルベージしました。

「二階堂黎人特集」「探偵小説研究会特集」「京極夏彦特集」に書いた原稿はここ

『新・本格推理01』『着流し探偵帖 青空の下の密室』の週刊書評ここ

『楠田匡介名作選 脱獄囚』『人魚とミノタウロス』『嘘つきパズル』の週刊書評ここ

『密室に向かって撃て!』『九十九十九』『目を擦る女』『セリヌンティウスの舟』の週刊書評ここ

『天帝のはしたなき果実』『ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!』『トリック・ソルヴァーズ』『爆発的――七つの箱の死』『浮遊封館』『肺魚楼の夜』『踊るジョーカー』の週刊書評ここ

2017-06-27

[]「本格ミステリ大賞」を道具にされたくない 10:57

自分の好きなドラマが世間から叩かれていて、視聴率も悪いという状況の中で、援護目的なのか何なのか、同ドラマに対して「本格ミステリ大賞の特別賞が与えられてもいいんじゃないか」的なことを言い出している人たちがいるようだが、ちょっと待ってほしい。

彼らは本格ミステリ大賞について何を知っているというのか。17年の歴史があるが、今までに映像作品を顕彰したことはない。なのに今年、映像作品に(例外的に)特別賞を贈るということになると、少なくとも過去17年の連続ドラマ・単発ドラマ・映画などの映像作品の中で、ダントツの1位と評価される必要があると思うのだが(10周年のときに特別な企画として海外作品を顕彰したことがあったが、10年目で初めての試みだったので、過去10年間に書かれて翻訳された作品を対象としていた。同様に今年は映像作品に特別に賞を贈ることにしたという場合、今年の作品だけでなく、過去17年間の映像作品も対象になるのが筋というもの)、連続ドラマがまだ終わっていない状態で1位だと決めつけることは論理的にできないはずだし(7話以降でガクンと品質が落ちて平均点が下がる可能性はまだある。論理性を重んずるなら、ドラマが完結して最終的な品質が確定するのを見極めてから言い出すべきだった)、「映像作品にも賞を与えてほしい」というだけならともかく、最初から「このドラマに贈るべき」と決め打ちしているのは、過去17年間の映像作品を軽視(というか無視、あるいは侮辱)していることに他ならない。全部ではないにしろ、過去17年間に制作された映像本格ミステリの多くを視聴していて、その中でも今回のドラマはダントツだ、という主張ならまだ筋は通している(過去の作品を軽視してはいない)と言えそうだが、結局、それはあなたの主観であって、本格ミステリ作家クラブ(本格ミステリ大賞の運営母体)がそう感じるべきだ、という価値観の押し付けになっていないか、もっと慎重さが要求されるはずだし(慎重さに欠けるのが問題だし)、過去17年間の映像ミステリ作品をそれほど網羅的に見ていない人が言っているのだとしたら論外だ(ハッシュタグは誰でも使えるので「論外」レベルの人も大量に賛同した形になって、逆にムーブメントの足を引っ張っているように見えてしまうのはどうにかならないものか)。

映像部門を新設して第一回受賞作に選んでほしい、という方向ならば対象は今年に限定されるが、それでも5月の段階で、当該ドラマが1位になると決め打ちしているのは、ミステリに理解のある他の映像作家に対する侮辱(あなたがたが今年の後半にどういう作品を作ろうとも、この作品は越えられないだろう)になっている。いやいや侮辱していない、当該ドラマを越えた作品が下半期に作られたらそれも顕彰しよう、合格点を超えたら何作でも授賞させよう、という言い逃れがまだ可能かもしれないが、そうなると賞の乱発を許すことで「本格ミステリ大賞」の価値が下がるし、年に一作(投票で同点なら二作)と規定された小説部門や評論・研究部門の過去の受賞作や、特別賞の過去の受賞者を(間接的に)貶めることになるだろう。というか映像部門の新設が絵に描いた餅でしかないのだが。

そもそもの話、本格ミステリ作家クラブの処理能力はかなり小さい。現状でも候補作を選ぶ予選委員と本投票に臨む会員の負担はそれなりにあって、「小説部門」と「評論・研究部門」でほぼ手一杯の状況である。それでも過去の功績が飛び抜けていて、この方を顕彰したいと、現役の作家や評論家が思ったからこそ、鮎川哲也、宇山秀雄、戸川安宣、島崎博の四人には特別賞を授賞した。規模が小さく、作家たちの「手作りの賞」という意識があったからこそ、規定外の授賞である「特別賞」を乱発せずに対象をかなり厳選してきたし、結果的に「受賞すること」の価値が高まっている。

そこに外野の(クラブの会員でもなく、クラブの理念や現状などにも通じていない)人間が、勝手に何かを並べたりしないでほしい。鮎川哲也の功績を知っている人が、今回のドラマはそれに並ぶものだと主張しているのならば、耳を傾けないでもないが(本格一筋に生涯を捧げた作家とワンクールのドラマを同列に語れるならば語ってみよ)、特別賞の過去の受賞者についてたいして知識がない人が「某ドラマに本格ミステリ大賞特別賞を」と言っているのだとしたら、しかもそれが「某ドラマを自分は高く評価しているのに世間の評価が低いから、権威による擁護がほしい」というだけの動機でそう言っているのだとしたら、あまりにも自分勝手にすぎやしないだろうか。

自分の好きなドラマに対して「無理解な態度」を取っている視聴者に対抗するために、本格ミステリ大賞の名前を持ち出している人は、とりあえず過去17年間に作られたミステリ系のドラマに対して、自分が同様の「無理解な態度」を取っていることを自覚してほしい。「相棒」や「TRICK」といった連続ドラマに対して(あるいは「名探偵コナン」などのアニメや「キサラギ」「アフタースクール」などの実写映画に対して)「特別賞を」と言わなかったくせに、今回のドラマに対しては「特別賞を」と言っているということは、そこに明確な差があると言っているわけで、あなたがたは(たぶん無自覚なんだろうけど)いろんな作品の関係者(およびファン)に対して喧嘩を売っているんですよ。あなたが大好きなドラマをいま貶している人たちと、同じことをしているんですよ。

「○○した功績が何らかの賞に値する」という論法で他作品に喧嘩を売るのは無謀でしょう。他の映像作品は一切「○○」をしていないという事実があってこそ、そういった差別化が成り立つわけで、じゃあここ17年間の他の映像作品は、新しい層に本格ミステリの魅力をアピールできなかった、新しい見せ方をしてこなかった、探偵役の設定に工夫を凝らさなかった、原作に手を加えることで本格としての価値を増すということをしてこなかった、ロジカルな解決の面白さを誰にも伝えてこなかった、etc……、という個別の証明を伴わなければならない。あらゆる方面に喧嘩を売って、当然「この作品にもそういった功績は認められますよ」という反論が各方面から返ってくることが予想されるのだが、「そんなしょぼい功績は賞に値しない。こっちはもっと功績が大きいんだから」などと言い張って、ミステリファンの中で孤立化してゆく未来しか見えないのだが。

「この作品に(だけ)賞を」というアピールは「この作品以外は賞に値しない」と言っているも同然で、騒動の元になる。そんなことのために「本格ミステリ大賞」の名前を使わないでいただきたい。

ちなみに「某ドラマ」は毎週録画していて、まだ追い付いていないが、とりあえず第三話まで見ている。視聴率がふるわないという指標はあるようだが(といっても「月9にしては」という但し書き付きで、フジテレビの中ではトップレベルの数字を出しているはず)、本格ミステリの映像化として高い満足度が得られる作品になっていると思うし、この内容で批判している人がいるとしたらその人間のほうが間違っていると個人的には思う。むしろ誰よりも強く思っているし、自分に自信があるからこそ「援軍」の必要性はまったく感じない。間違いなく優れている。貶す人間のほうが間違っている。話はそれで完結している。だったらどうして賞を欲しがるのか。

間違いなく優れているとは思うのだが、過去17年でダントツだとまでは思っていない。この作品に賞を与えたら、過去のいろいろな作品(あれとかこれとか)のファンが大挙して、じゃああれにも与えてほしい、これにも与えてほしいとなってキリがなくなると思うので、余計な波風を立てないでほしいと言っているのである(そういう意見が出てこないほど「誰にとっても突出した作品」にはなっていないと個人的に判断している。この判断がもし間違っていたと後になって意見を変えることがあったら各方面に謝罪します)。もし本格ミステリ大賞が映像作品に対して何らかの賞を与えることがあるとしたら、本当に「誰にとっても突出した作品」に限定されるべきであって、たとえば「刑事コロンボ」や「奇術探偵ジョナサン・クリーク」あたりの水準(質と量)を満たした作品に厳選してほしい。

基本的には活字の世界で活動している人たちが集まって作った賞なので、専門外のメディアに授賞する際にはそれだけ慎重に、例外的な扱いにふさわしい作品に厳選すべきだと思うのだ。逆に映像部門に今後力を入れてゆくのならば、映像作品における「本格ミステリのあり方」を熟知した映像作家なり脚本家なりを会員として大幅に増員してから、そういった部門を新設すべきであると(でもその必要はないと個人的には思っている)。

まとめ。

過去17年間のすべての本格ミステリ系映像作品と戦って1位が取れますか?

もそしれで1位を取れたとしても、特別賞の既受賞者四人に共通する「現役の多くの本格ミステリ作家を誕生させ、本格ミステリの今の隆盛を、半生を賭けて招来させた」という功績と同列に並べられますか?

もし同列に並べられたとしても、特別賞の乱発(による価値の暴落)は避けたいので、既受賞者の四人とそのドラマの、合計五回の受賞に並ぶものは今後、数年に一度出るか出ないかのレベルだと、多くの人に認めさせることができますか?


注:以上の文章は約一ヵ月前、5月25日に書いたものである。最終回まで見終えて、傑出したドラマだという意見には賛成するが(僕自身が映像作品に詳しくないので、過去17年間で並ぶものがない傑作かどうかの判断はできない。もしかするとそうなのかもしれないが)、だからといって本格ミステリ作家クラブが顕彰するのは違うという、自分の中での結論は変わっていない。

2017-06-18

[]須藤凛々花問題 12:37

自分の言動に責任を持つこと。そのために人生のさまざまな場面で正しい選択をし続けること。それを実現するにはどうしたらいいか。どういうルールで自分を律したらいいか。社会を律したらいいか。それを考えることが哲学の根源のひとつだと思っている。

もしアイドルが集票イベントの最中に恋愛にうつつを抜かしていたとすれば、それを責任ある行動だと判断することはできないだろう。我欲に忠実だとは言えるが、それだったら動物でもできること。自分の言動に責任を持ちたいと思ったならば、嘘をつきたくないと思ったならば、本当のことを言っても誰にも迷惑をかけないように行動を律するのが本筋である。アイドルグループの一員として活動をしている間は、ファンを裏切る行為を慎むこと。我欲を抑えきれないと判断したならば、アイドルを卒業して、ファンの作り上げた偶像から解放されるという手順を踏んだのちに、やりたいことをすればいい。

といっても「恋愛禁止」はAKB48グループの公式ルールではなく、ファンに「裏切られた」という気持ちを抱かせないための、アイドルの自主規制であり、それをナイガシロにしてきたアイドルは過去にも少なからずいたことは事実である。

今回の騒動のいちばんの問題は、週刊誌によるスクープの被害を受け流すために「結婚発表」という奇策を用意したこと、ではなく、それを48グループにとって大事なイベントである「総選挙開票式」の壇上スピーチで行ったことである。後日別な形で「結婚発表」という奇策を用いたのであれば、グループのファンからここまで総スカンを食らうことはなかっただろう。しかし須藤は大事なイベントの最中にそれを用いて、開票式を台無しにした。その罪は重い。

総選挙の開票式は今年で9回目を迎えた。過去8回と同様、今年も壇上に立ったメンバーがそれぞれ嬉し涙や悔し涙を流した。ファンも涙を流したし、壇上に立てなかった圏外メンバーとそのファンの悔し涙も忘れてはいけない。その涙を吸った大地から、翌年、綺麗な花が咲くのである。

そんな大切な地面に、20位の須藤は生コンクリートを大量にぶち撒けた。19位の峯岸みなみ、18位の松村香織、17位の向井地美音は自分に与えられていた時間が大幅に削られた中で、何とか目の前の生コンを掻き出して、来年のための地面を少しでも露出しようとしていた。選抜メンバー16人のスピーチでも、コンクリートを掻き取ることに多くの時間が取られていた。それでも地面に大量のコンクリートは残り、すぐに固まり、大勢のメンバーやファンが流した涙がその下に消えて見えなくなってしまった。

おそらく来年になれば、コンクリートは風化して、あちこちの罅割れや隙間から力強い芽が吹いて、綺麗な花を咲かせるだろう。でもこの生乾きのコンクリートに覆われた大地の景色は、その荒涼とした風景は、多くのファンの気持ちを冷めさせる恐れがあるし、放っておいてよい問題ではない。

グループの大事なイベントを「個人のしでかした過ちの尻拭い」に使い、荒涼とした風景を現出させた責任は果てしなく大きい。開票式を私物化したと言っても過言ではない。壇上にのぼれなかったメンバーも含めて322人の思いが詰まっていたはずの大事なイベントを、須藤の(スキャンダル逃れのための)「結婚発表の場」に変えてしまったこと。責任感がカケラでもあればそんな(須藤以外の全員にとって)誤った選択はしなかっただろうし、この程度の判断力もない人間が「哲学者を目指す」などと称していたことに憤りすら覚える。

まとめ。

1)スキャンダルの発覚で自分のファンの気持ちを踏みにじったのはまた別にしても、

2)総選挙を私物化し他のメンバーやそのファンの気持ちを台無しにしたのは大問題。

3)責任ある行動を目指すのが哲学者への第一歩だが、まるでなってないのに呆れる。

2017-04-06

[]野澤玲奈とロバート・ミッチャム 13:19

AKB48の野澤玲奈はインドネシアからの帰国子女(JKT48からの移籍メンバー)であり、日本語英語インドネシア語のトリリンガルというのがセールスポイントになっている。エピソードトークの内容が変なことが多くて、聞いているメンバーもファンも頭上に「?」を浮かべるような独特の世界を持っており、それをもって「ノザワールド」と呼ばれているが(けっこう軽視されているが)実は頭が良く、大学受験にも合格して、今春から早稲田大学に通うことになっている。

その野澤玲奈が得意としている指芸があって、下準備としては左手の掌にてんとう虫の絵を、人差し指から小指の中節の甲側に「T・H・I・S」の文字を一字ずつ、右手の掌にてんとう虫が潰れた絵を、水性マジックで描いておく。その状態で以下の四つのフレーズをテンポよく見せる。

(1)左手をグーにして折り曲げた四指を相手に見せて「THIS」、人差し指と中指を伸ばして薬指と小指の文字だけを見せて「IS」、四本とも伸ばしてパーにして掌の虫の絵を見せて「A BUG」と言う。

(2)そのままの状態で「THE BUG」、薬指と小指を曲げて「IS」、小指を伸ばして代わりに中指を曲げて「HI」と言う。

(3)パチパチパチと両手で拍手をする。

(4)左手を下ろして右手の掌を見せ、悲しそうな顔をして「THE BUG IS DEAD」と言う。拍手をしてうっかり虫さんを叩き潰してしまいました、というのがオチなわけ。

記憶だけで書いているので細部が間違っているかもしれないが、大筋では合っているはずである。ポイントは左手の指に書いた「T・H・I・S」の四つの字を指の曲げ伸ばしで「THIS」「IS」「HI」の三つの単語として見せるところ。英語圏で子供に見せるちょっとした遊びとして既存のものなのか、野澤が考案したものなのか、そのへんはよくわからないが、日本国内で広めているのは野澤である(というかまだ広まってはいないのだが)。それはそれとして。

話は変わるが先日「狩人の夜」という古いモノクロ映画をイマジカBSで見た。ストーリーが前半と後半で分離しているので名作になり切れていないカルト作品という印象で、ロバート・ミッチャムが殺人狂の伝道師という役で出ているのだが、左手の人差し指から小指にかけて「H・A・T・E」と、右手は逆に小指から人差し指にかけて「L・O・V・E」と、各指に一字ずつ刺青で入れている。文字が描かれているのは野澤の場合とは違って、指の付け根の節というか、グーパンチで殴るときに打面になる部分。指に刺青って(しかも「HATE」と「LOVE」って)凄いなと、かなり強烈な個性をアピールしている。

その時点でなんとなく野澤玲奈の指芸を連想していたのだが、映画の中でロバート・ミッチャムが合掌をして祈る場面があって、そこで「あっ」と思ったわけですよ。指を組んだことで4字と4字が混ざり合って8字になる。その8字でひとつの単語になってたら凄いぞと。でも左手の親指が上になる組み方で親指側から読んだ場合に「HEAVTOEL」、逆の組み方で親指側から読んだ場合に「EHVAOTLE」で、どちらも意味のある文字列にはならなかった。残念。

だったら自分で作ってやろうと思って考えた。どうせなら右手の親指が上のときと左手の親指が上のときの両方で、それぞれ違った意味のある文字列にしたい、となると英語じゃなくて日本語(ひらがな)のほうが自由が利いて何とかなりそうだ、手を組んだときの文字列がポイントになるなら親指を外す理由はないので左右五指ずつで考えようということで、出来上がったのがこれ。

「どてにれの」「うんないる」

どっちが右手でも左手でもいいんだけど、親指から小指に向かって各指に一字ずつひらがなを書く。五文字の段階で意味のある言葉「LOVE」とか「HATE」とか「THIS」とかになっていないように見えるのが難点なんだけど、

A「昨日土手にジャン・レノがいるのを見たんだ」

B「土手にレノ?」

A「うん。ナイル」

B「しかもナイル川? 待って、ナイル川に土手なんかあったっけ?」

という会話の途中を採用したと思ってほしい(ここがかなり苦しい)。さてこの両手を「ど」を書いた親指が上になるように組んだときに、親指から小指にかけて十文字を読むと「どうてんになれいのる」という文字列が浮かび上がる。たとえばサッカー日本代表の試合で、同点でもW杯出場が決まるのに1点ビハインドで前半が終わってハーフタイムになりました、というようなときに合掌して祈ると「同点になれ祈る」という文字列が組んだ指の中に浮かび上がったら、なかなかいいじゃないですか。ハーフタイムの間に軽食でも摂りたいなと同居人が言い出して、うどんを作ることになったときに、手の組み方を変えると「うどんてなにいれるの」という文字列が浮かび上がる。

というようなことを考えていたのだが、どうだろう。暇人なのはたしかだが、こういうことを考えない暇人も多い中で、こういうことを考える暇人は、人生を有意義に過ごしていると言えないだろうか。

2017-01-19

[]加藤九段 17:27

プロ棋士(将棋)の加藤一二三九段(かとうひふみ九段)は、うっかりすると「加藤せんにひゃくさんじゅうきゅう段」に見えてしまう。ものすごく強い人かよ(いや、ものすごく強い人なんだけどさ)。