市川尚吾の蔵出し

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2007-01-05

[]新年 15:46

あけましておめでとうございます。

年賀状を出す習慣がないので、かわりに友人知人にはここでご挨拶を……と思って更新したのが三が日もすっかり明けた本日というところが、すでにグダグダな感じで俺らしい。今年もこんな感じで行きますのでみなさんヨロシクお願いします。

新年一発目の読書は梶龍雄『裏六甲異人館の惨劇』でした。これはなかなか良かった。発行元は講談社ノベルスで発売は87年9月5日。つまり『十角館の殺人』と一緒に配本されたうちの一冊。読んでいる途中で仕掛けはだいたい予想がつくのだが、それでも終盤で「ほほう」と言わせるネタが盛り込まれているところが良い。本格に対する意識の高さを感じさせる。梶龍雄は80年代に良質な本格ミステリをたくさん書いていたのだが、新本格の流れからは外れていた(『本格ミステリ・クロニクル300』には、岡嶋二人や日影丈吉などの作品も入っているが、梶龍雄は一作も入っていないし、『ニューウエイヴ・ミステリ読本』の「先駆者たち」にも挙げられていない)。なので読み逃している読者も多いはず。俺も未読作がけっこうあるので、こうしてちょくちょく読んでは、今さらながらに感心しているのである。

ちなみに『十角館』と同時配本だったのは、梶作品の他に、高橋克彦『総門谷』、佐橋法龍『こちら禅寺探偵局』、長井彬『南紀殺人 海の密室』の三冊(ただし『総門谷』は四六版で出版されたものの再版)。

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